先にお渡し分だけ受け取り、残りは配達できますか?|法事仕出しの朝の段取り

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先にお渡し分だけ受け取り、残りは配達できますか?|法事仕出しの朝の段取り

「何個かだけ、先に取りに行ってもいいですか?」──法事仕出しで時折いただくご相談を、朝の現場の流れとともに記します。

夜明け前の厨房に、静かな音が響きます。釜のふたを開けると、空気がわずかに動きました。

今日の配達票には、法事の折詰が並んでいます。昨日の夕方、「何個かだけ、先に取りに行ってもいいですか?」そんなご相談をいただきました。

ご法要の席で、一部のお料理を早めにお渡ししたいとのこと。ご親族の方が先にお墓参りをされ、そのあと会場で皆が揃う──という段取りでした。

注文内容と時間を確かめながら、厨房の時計に目をやります。開店前の静けさの中で、包丁の音だけが一定に響きました。

炊きあがったご飯を飯切りに移し、熱の逃げる間に折詰を並べていきます。焼き魚、煮物、だし巻き、そしてお刺身。一つひとつの位置を確認しながら、箸を入れたときの流れを想像して詰めていきます。

「先に取りに来られる分は、二折ですね。」スタッフの声にうなずきながら、引き渡し時間をメモに書き込みました。

配達分と同じ仕上がりになるよう、仕込みの順番を少し変えます。折詰の蓋を閉じると、音が静かに止まり、厨房の空気がすっと落ち着きました。

掛け紙を重ね、名札を添える。紙の端がかすかに鳴り、手の温度がそこに残ります。

こうした細かな調整は、実は一日の中で何度もあります。人数変更や時間の前後、受け渡し場所の指定──。どれも、お客様の「こうしたい」に合わせて動くことで、安心していただける瞬間が生まれます。

ご相談をいただくたびに思うのは、法要の席にはそれぞれのご事情があるということ。一折を受け取られる方の背景を想像しながら、折詰の向きを整え、最後に指先で軽く押さえます。

今日も、信頼を積む一日が始まります。お渡しと配達を分ける段取りも、いつでも承ります。松山での法事仕出しや折詰料理のご相談も、どうぞお任せください。ご法要の日取りや人数が決まった段階で、まずは一度ご相談ください。

詳細はこちら:法事仕出しページ

(配達エリア:松山市・東温市・伊予市・砥部町・松前町/ご予約は原則2日前まで)

彩りと温かさを大切に仕立てております。

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